退職意思の伝え方

退職意思を伝える前の準備・注意点

辞める決意を再確認する

退職を伝える時には、再度自分の決断と覚悟に揺らぎがないかを確認します。

今の会社と転職先でのメリットとデメリットを紙に書き出して、冷静に分析するのもお勧めです。

よくありがちなのが、「今の会社に不満だから」という理由。もちろんそれも大きなポイントです。

しかし、「新しい会社でXXにチャレンジしてみたい」「新しい環境でXXの仕事をしたい」などポジティブな理由があるタイミングでの転職がお勧めです。

自身と確認した上で、本当に自分がやりたいと思っていると確信できたら、そこで初めて上司に話しをします。

むやみに人に相談しない

転職が初めてであればなおさらのこと誰かに相談したくなります。しかし、むやみに人に相談はしないことをお勧めします。

悪気なく相談した相手がぽろっとあなたの話を漏らした結果、社内の人に知られてしまったりすることも十分にあり得ます。

どうしても相談したいのであれば、絶対に他言しない人や別の業種の人など相手を選びましょう。

身辺整理

退職の話をした際、「だったらもう今すぐに退職で」という話になることもあり得ます。

特にあなたが会社の重要な情報を扱う部署にいたり、危機管理部門、システムを担当していたりする場合などです。

万が一「今すぐ」ということになってしまうと、机の整理や人に触られたくないものを自分で取ってくることもできません。

何が起こっても対処可能にしておくため、退職を決めたら周囲に知られないように荷物は少しずつ持ち帰り、当日はバッグ1つ、もしくは身一つの状態にしておきましょう。

退職意思を伝える適切な時期

上司

誰よりも先に上司に報告します。業務への支障を考慮すると、1日でも早いのが理想ですが、自分の意思、覚悟、準備に必要な期間等は必ず優先してください。

当たり前のことですが、1度伝えたら後戻りができないことをしっかり理解してから行動することが重要です。

日本の法律上、有期雇用を除いて2週間前までにを申し出れば会社を辞めることは可能ですが、自分の事情が許せば会社にとっては1日でも早い通達の方がありがたいことは覚えておいてください。

一方、あなたにもメリットがあります。早く引き継ぎを終わらせて上司と合意できれば、最終出勤日を前倒しにして、新しい会社へ行く前に何日かでも自由時間を作ることができます。

同僚

ごく親しい、絶対に他に漏らさない信用できる同僚は別にして、一般的には上司への報告を済ませた後にします。その際も、上司には確認したほうが懸命です。

社外(取引先など)

社外への報告はあくまでも上司と会社の指示に従ってください。くれぐれも自己判断は禁物です。

後任の選定、取引への影響が最低限の時期を相談しながら、「自分がいなくなっても、全く業務にさしつかえない状態」を保証できるタイミングを選びます。

円満に退職するための注意点

上司には口頭で伝える

当然のことですが、上司にはかならず電話やメールではなくきちんとアポを取って退職の意思を伝えます。

上司は驚いたり怒ったりと反応は様々だと思いますが、影響されないように冷静を保ってください。

上司があなたを引き止めたい場合、様々な手段を使ってあなたの決断を変えようとするでしょう。そこで変に動揺したり同情するのは無用です。あなたの人生はあなたにしか決められません。

あなたがいなくなり会社に打撃があったとしても、すぐに必ず代わりが見つかります。

もちろん、引き止めオファーの内容が、あまりにも魅力的かつ自分のやりたいことであれば、一向の余地は十分あります。

あくまでも「自分の仕事人生をどうしたいか」と自分基準で決めてください。

引き継ぎまで責任を持ってやる

辞める前の残務処理と引継ぎは、全部済ませてから退職しましょう。海外転職でもう2度と会わないだろうといい加減なことをすると、後々痛い目をみることになります。

会社から言われて初めてやるのではなく、退職の際にどのような残務処理や引継ぎをするのか、自分から話をすると退職までのスケジュールがスムースになります。

転職を決意した際に、引継ぎノート等の作成に取り掛かっておくと後になって慌てることもないでしょう。

退職願の書き方

退職願は、パソコンと手書きどちらでも大丈夫です。用紙は縦型の無地か罫線入りで、和封筒の白を選びましょう。

退職願・退職届・辞表すべてが同じ意味を持っているわけではありません。それぞれの状況に応じて正しいものを選択した上で作成してください。

退職届を書くときの注意点

手書きで退職届を書く場合

会社によっては指定のフォームがありますが、その場合はもう一度、後から書き直すことになります。

手書きの場合、基本的に色は黒のボールペンや万年筆で書きましょう。水などで滲んだり消えてしまうインク類や、黒以外の色、フリクションペンは避けてください。

パソコンで退職届を書く場合

パソコンで作成した時にも、最後の署名は自筆で、そして名前のあとに印鑑を押します。

外資系の場合は英語でパソコンが一般的です。英語の場合、最後は自分の名前をタイプした上に自筆でサインをします。横書きの洋封筒を利用しましょう。

退職届の渡し方

退職届を渡す適切な時期

辞めた後の会社への影響や後任探しを考えると2ヶ月前がベストと言われています。

しかし実際は、次の会社の状況で「1日でも早く」と言われることも少なくありません。余っている有給休暇分の日数も含め、最低でも1ヶ月前には申し出てください。

どちらにしても、自分の決意や状況が整い次第すぐに行動するのが良いです。仕事内容によっては、実際の退職日まで毎日出勤せずに籍だけ置いておくケースもあります。

その場合は、空いた時間を次の勤務先での下準備や自分の充電期間として、有意義に使うことも可能になります。

退職届を渡すときの注意点