日本と海外の面接の違い

採用で重要なのは職歴と実績

国によっては学歴や卒業大学によって就労ビザ取得に影響があります。

高給待遇のポジションを目指すなら、海外の有名大学の修士号や博士号などの学歴が必要です。しかし、一般的な待遇ポジションであれば卒業大学だけで判断されません。

「一流の学校を卒業したからすごいはず」という日本式の考えはほとんど通用しません。学歴より職歴と実績が重要視されます。

採用することで会社にどのような利益があるかが相手の最大の関心事だからです。そこをどれだけアピールできるかが鍵となります。

学歴コンプレックスがある人でも、実力があれば採用されるチャンスが大いにあります。

海外の面接で好印象を与えるポイント

「自分を雇えばこんなメリットがある」という内容を、相手にわかりやすく伝えることが重要です。

自分の個性を生かした返答を心がける

ハウツー本の雛形通りの受け答えではなく、自分の個性を存分に生かして他の候補者との差別化を図ります。

自分の強みを書き出してみて、それがどのように会社に役立つか整理しておくと説得力がでます。

具体的な経験をもとに説明する

抽象的に言葉を並べるよりも、具体的に「こういった場面でこんな働きをした」などと説明し、大いに宣伝してください。

同時に、自分がチームプレイヤーで誰とでも上手くやれること、決して諦めないタイプだと伝えること忘れないようにしてください。

仕事ができて人間関係もこなせる人材を会社は探しています。

自信を持って堂々と話す

日本文化で美徳とされる謙虚さは、海外での面接ではマイナスになります。

自信を持って堂々と、面接官の目をじっと見ながら相手を説得する気持ちで全力でアピールしてください。

多少誇張した表現をしても、自分がそれを後からやり遂げられる努力をするならば、決して嘘にはなりません。

採用の流れ

大まか採用の流れは以下のとおりです。

  1. 書類選考
  2. 面接(数回)
  3. 合否連絡、内定

面接の回数

面接の回数には各会社かなりのばらつきがあります。これは、個人で直接応募する場合と、転職エージェントを利用する場合どちらの場合でも同じです。

最初から決定権がある責任者が面接をする場合には合否が決まるまでに面接の回数は1、2回で済みますが、会社によっては4〜6回も面接するところも少なくありません。

また、応募している役職が上であればあるほど回数は増えるのは普通です。ただ、連絡が来ているうちは相手があなたに興味があるということですので、着実に一つずつ面接をこなしてください。

筆記試験

筆記試験を行うところはあまり多くありません。

受ける職種によっては、語学の会話能力をテストや簡単なビジネスレターの作成のリクエストがあったり、他にもコンピューターのプログラミング等の専門知識を試されることはあります。

合否の連絡

全ての面接が終了後、相手側から「XX日以内にご連絡をします」という連絡がない限りは、結果の連絡は1週間を目安に考えると良いです。

個人で応募した場合の合否確認では、最初にやりとりをした人事担当者にメールで問い合わせることは可能です。

履歴書の書き方

履歴書のでき次第で面接が決まる

面接まで行けるかどうかは、履歴書で決まります。

どんなに優秀な人でも、面接まで行かなくては自分をアピールするチャンスすら与えられません。

そのために「この人なら会ってみたい」と相手に思わせる履歴書を作成することが非常に大事です。

簡潔でありつつ明確な履歴書

一目見てあなたの今までの最終学歴以降の経歴や職歴、どんな仕事をして何を得意としているかが伝わらなくては意味がありません。

1〜2ページ以内にまとめ、いかに見やすいフォーマットになるか工夫して下さい。簡潔で明確な履歴書は、仕事ができる証明にもなります。

ただでさえ多忙な面接官たちは、長い履歴書を見ると読む気がなくなります。

結果、履歴書に書いてあることを再度面接で聞かれることになり、肝心のアピールするための時間が削られてしまいます。

履歴書の内容

最初に【氏名・住所・電話・Email】を書き、その後に【Education / Job Experience / Career History / Personal Qualities / Skills】の情報が入っていれば理想的です。

Word、Excel、PowerPointや使えるコンピューター言語等の情報は、Skillの部分に書きます。その他にアピールしたい点があれば、【Others】として最後にいれるのが良いでしょう。

有料サービスも検討

一番気を付けたいのが無意味に長い履歴書です。

自分をアピールしたい気持ちからレポートのように長くなってしまった履歴書は、それだけで見る側の意欲を萎えさせますし、そもそも仕事ができない印象を与えてしまいます。

誰が見ても、一目で、これまで在籍した会社名・部署・役職・仕事内容等が分かるようになっているのがベストです。1〜2ページ以内を目指しましょう。各項目の説明も短く、一行以内に収めます。

有料でプロが英語の履歴書を作成してくれるサービスもあるので、利用するのも一つの手です。履歴書の出来次第で転職が決まることを考えたら、有料でも決して高くないと思います。

お勧めの英文履歴書サービスを知りたい人は、support@kaigai-job.jp までお問い合わせください。

面接の服装・マナー

自分に合う色の服を選ぶ

日本ではいわゆる濃紺のリクルートスーツが必須ですが、海外においてはそのような決まりはありません。むしろ受ける業種によって服装を変えることも必要です。

重要なことは、相手に「こんな人を雇いたい」という好印象を与えることです。そのために、自分に合う色を選択することが重要です。

男性の場合はネクタイ、女性はスーツ(華美でなければ黒や濃紺でなくてよい)は、自分に合う色を選ぶことをお勧めします。

男性の場合

スーツやネクタイの色によって顔色が全然変わります。元気良く見えたり、逆に顔色が悪く見えたり、印象がボケたりもします。

鏡の前で白いシャツを着て、持っているネクタイを一本ずつ顔の近くに持っていって確認してください。

政治家やエグゼクティブたちも、自分の印象を良くする色を意識して、TPOに合わせて効果的に活用しています。

女性の場合

女性も同じく色によって印象が全然違ってきます。濃紺や黒にとらわれず、明るいグレーやベージュも、かちっとしたスーツであれば問題ありません。

自分に似合うものを身に付けることで、表情も明るくなり自信も出てきます。靴はシンプルなパンプスで、バックストラップや大きな飾りのものは避けてください。

アクセサリーをつけるならば小ぶりのものを数少なく、お気に入りでも高価な腕時計は我慢しましょう。

面接を成功させるポイント

姿勢

何よりも気をつけたいのが姿勢です。ぴんと背筋を伸ばすだけで、相手に与える印象が断然違ってきます。

笑顔

面接時の笑顔は必須です。こればかりは日頃からの訓練です。普段から鏡を見るたびに口角をあげる癖をつけてください。

笑顔で相手の目を見て受け答えができれば、自信に満ちて仕事ができるという印象を与えられます。

お礼のメール

面接官から名刺を渡されたら、必ずその日中にお礼のメールを出します。内容は長すぎず完結に、が重要です。

名刺がない場合は、人事担当者を通じてメールを転送してもらっても良いでしょう。

エージェントを利用している場合は、面接後すぐに担当者へ連絡を入れて報告してください。

お礼と状況を詳細に説明することで、より良いサポートをしてもらえるはずです。

面接の雰囲気

面接形式

面接官の人数も会社によって様々ですが、たいていの場合1対1が多いです。

20〜30分の個人面接を何回かという場合もあれば、まず人事部が面接をしてスクリーニングの上、優秀な候補者を絞った後に多忙な面接官へ回すという形をとっているところもあります。

面接会場

場所は先方のオフィスがほとんどですが、たまに外の(ホテルなどの)カフェを指定される場合もあります。

どちらにしても、どんな状況でも対応できるように、日頃から臨機応変を心がけて意識しておくと良いでしょう。

日本から海外転職活動をする場合は、一次面接がスカイプなどのビデオ面談で、二次以降は現地で対面面接になること一般的です。

面接官

面接官によってもさまざまですが、日本に比べるとややリラックスした雰囲気が多いです。

面接官が日本人の場合の礼儀は日本と同じ、外国人の場合は面接官が入室したら立ち上がって迎え、笑顔で握手のために手を差し出しながら名前を名乗り、お礼を言うのが良いです。

面接が終わって面接官に見送られる時は、日本人を意識してきちんとお辞儀すると印象が良いと思います。

面接結果の連絡

海外での採用はとても合理的です。相手があなたを欲しければ、他の会社に取られないようにすぐに連絡をしてきます。連絡の目安は1週間程度です。

1週間以上連絡が来ない場合、内部調整に手間取っているなど特別な事情を除くと、先方があなたに興味がないか、もしくは他の候補者と天秤にかけているなど何か即断できない理由があることを意味しています。

海外転職で成功するポイント

受けた会社の結果だけを待って次の行動に移るのではなく、他にも自分が行きたいと思う会社があれば、いくつでも積極的に掛け持ちで受けてください。

就職・転職は選ばれるのを待つだけではなく、自分から選ぶ選択もあります。

面接も受ければ受けるほど慣れて上手になります。「練習になった」と思えば、仮に採用とならなくても良い経験だったと受け取れます。