博士研究員:エピジェネティクス/ヒト万能幹細胞 (iPS 細胞)/始源生殖細胞リサーチ@ハーバード・MGH
仕事内容
Massachusetts General Hospital Center for Cancer Research の塩田ラボは、現在ポスドクを募集しています。 採用後に参加が求められる主な研究プロジェクトは、ヒト始源生殖細胞モデル Primordial Germ Cell-like Cells (hPGCLCs) を iPS 細胞から作成し、その長期培養株を樹立して、関連諸分野への応用展開を試みるものです。これまでに塩田ラボではhPGCLC長期培養の基礎技術を開発し、いくつかの Long-Term Culture hPGCLC (LTC-hPGCLC) 株の樹立に成功しています(投稿論文査読中)。LTC 株を用いた研究テーマとしては、ヒト生殖細胞の基礎発生生物学(齧歯類生殖巣体細胞との混合培養系による、配偶子形成に向けてのインビトロ分化モデルの構築); 始源生殖細胞に由来する胚細胞腫瘍(セミノーマ、胎児性癌、奇形腫など)の、ゲノム編集技術を応用した発癌機構解析; 薬物や環境汚染物質の生殖細胞毒性評価のための培養ヒト生殖細胞スクリーニング系の樹立と応用; および前世代で受けたストレスや後天的獲得形質のエピジェネティックな遺伝現象の分子機構解析などを手掛けています。
役職名は Postdoctoral Research Associate で、塩田ラボの現地での研究活動に従事している期間は、米国 NIH のガイドラインに沿った額の給与が支払われます。主要業務は Principal Investigator (塩田敏博)の指導のもとで独立した研究を行い、英語論文の作成と投稿、英語での学会発表、および研究助成金取得のための書類の作成と応募です。
事業内容
Massachusetts General Hospital は Harvard Medical School の主要な Teaching Hospital です。その事業は病院としての臨床医療のみならず、多岐に渡った分野での基礎医学、応用医学、および周辺領域での研究活動を、世界をリードするレベルで行っています。
福利厚生
採用された博士研究員には、MGH 標準の福利厚生手当が支給されます。詳細は MGH 人事部が、応募者個人の状況に応じて、採用の決定前に相談、対応します。
掲載した担当者からのメッセージ
私どものラボは比較的小さな研究室で、メンバーとヘッド(塩田)はほぼ毎日 one-to-one で、研究に関する詳細な discussion を行います。ラボで受けられるトレーニングはヒト幹細胞の培養や分子生物学的アッセイ、細胞工学的技術などの wet lab techniques のみならず、本格的なbioinformatics の技能習得も要求されます。大規模ラボでよく行われる分業型の研究とは対照的に、塩田ラボでは『大抵のことは自分でできる』オールラウンドの研究者の育成を目指しています。
求人概要
勤務地 | アメリカ・チャールズタウン |
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職種 | その他 |
給与 | 年収 USD 54,000~58,000 日本円の目安 8,406,249円~9,028,934円給与と生活水準 給与は米国 NIH が設定する博士研究員報酬額のガイドラインに従って支給されます。単身の生活であれば、ボストン周辺で治安の良い、職場(チャールズタウン)に公共交通機関で通勤可能な地域で、ルームシェアせずとも独立して生活できる水準です。ご家族で生活されるなら、他の収入源も必要かと思われます。現職の博士研究員(日本のMD, PhD)の場合、奥様(日本の理科系大学の学部卒業、胚細胞士)も塩田ラボの技官として採用されフルタイムの給与を受けています。日本から検討されている場合、ビザの制限から3年を上限とした留学とお考えください。職場で特に優秀な業績を残された場合には、米国への長期滞在に必要なビザの変更等を考慮します。 |
勤務時間 | 年収額を雇用契約としている博士研究員の勤務時間に、厳密な時間枠は適用されません。MGH では時間給での雇用の労働時間は、平均して一週間あたり40時間となっています。しかしながら、研究業績を十分にあげている研究員に対して、無駄にラボに長時間出勤することを強要する理由はありません。逆に、単に勤務時間が長いことのみでは、雇用契約で要求される条件を満たしているとはみなされません。 |
ビザサポート | 相談 |
雇用形態 | 正社員 |
特徴 | 英語力が活かせる 職場に日本人が多い 現地企業 海外出張あり スカイプ面談OK 女性歓迎 |
応募条件
応募資格 | 1)M.D. あるいは生物学関連諸分野での Ph.D.の学位を取得している。あるいは2022 年3月末日までに取得見込みである。 2)2022 年 4 月から塩田ラボの現地 (Boston, Massachusetts, USA) での研究活動に、米国 J-1ビザを取得して参加できる。あるいは現在有効な米国就労ビザや永住権等を取得している。 3)2022 年 1 月から、塩田ラボの現職ポスドクによるリモートでのトレーニングに参加できる。現職ポスドクは2022 年3月中旬に日本に帰国予定のため、このトレーニングは主に細胞培養に関する諸技術の後継ポスドクへの円滑な継承を目的とします。トレーニングは日本語および英語で行われ、参加に対して給与は支給されません。トレーニングの頻度や日時・時間帯などは、応募者の経験と現在の就業状態等を考慮して、相談のうえ決定します。 4)最低2年間、ポスドクとしての勤務を継続できる。今回の募集では、短期滞在のみ可能な応募者は選考の対象になりません。 5)哺乳類細胞の培養技術に習熟している。特に ES細胞および iPS細胞の作成、維持、分化誘導などの経験を持つ応募者は優先的に考慮されます。 6)Deep Sequencing, Bioinformatics, Statistics などを使っての RNA-seq, ChIP-seq, Hi-C seq, ATAC-seq, WGS などの経験を持つ応募者は優先的に考慮されます。ただし、完全に DRY 解析のみの学位や業績を持ち、細胞培養など WET ラボの経験が無い応募者は、今回の選考の対象になりません。 7)英文での論文執筆、学会発表、研究助成金申請書作成の経験がある応募者は優先的に考慮されます。 8)日本国籍を有しない応募者については、英語と日本語の流暢さも審査の対象となります。少なくとも英語あるいは日本語のいずれかが研究業務を遂行できる程度にまで流暢でないと業務に支障をきたすため、選考で有利にはなりません。また、米国で研究業務に従事するビザが短期間に取得できるか否かについても、審査の範囲内になります。 |
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英語 | 日常会話レベル |
求める人物像 | 塩田ラボは自分自身の頭でモノを考え、積極的に研究を進めて行く姿勢を重視します。チャレンジや失敗を恐れない、アクティブで吸収力の高い人材を求めます。 |
企業情報
業種 | その他 |
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従業員数 | 10名以下 |